運動会で防災訓練? 防災意識高める取り組み提言 沖縄・うるま市


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舞台上で行われるグループ発表に耳を傾ける来場者ら=4日、うるま市の市石川保健相談センター

 【うるま】中部広域市町村圏事務組合は4日、中部広域市町村に勤務する職員の人材育成を目的とした「ゆがふう塾」の最終報告会を、うるま市石川保健相談センターで開催した。本年度は「うるま市」を題材に、9市町村の計15人が3グループに分かれ、うるま市の活性化や街づくり施策に関する研究結果を発表した。

 「自主防災組織の育成」をテーマに発表したグループ1は、うるま市職員に防災意識についてアンケートを実施したほか、自主防災組織を持つ自治会へは聞き取り調査をした。その結果(1)市民の防災意識が低い(2)自主防災組織は多数あるが、実際に災害が起きた場合に活動できるか不明(3)防災組織の高齢化―などの課題が浮かび上がった。グループはこれらを踏まえ、照間自治会が実施している小中学校の運動会の種目に防災訓練を含める「防災運動会」を政策として提言。照明確保ゲームや担架作成安全搬送ゲームを種目に取り入れることで、老若男女問わず気軽に楽しく防災知識を習得できると提案した。また、自主防災組織間の情報共有も有効だと訴えた。

 グループ2は「みんなが住みたい島しょ地域に」を題材に、移住促進による地域活性化を提案した。グループ3は「自治会の存続」をテーマに、新しい取り組みを提案した。

 うるま市のまちづくりについて基調講演した市の仲本昭信企画部長は、市には豊かな自然や歴史、観光資源だけでなく、新たな物流拠点、手つかずの島しょ地域など、無限の可能性があると指摘。「素材を生かすためにも、今後はより一層地域や商工会、観光物産協会などが連携することが大事」だと述べた。