酸素ボンベが切れ呼吸が困難に…助けてくれたのは2人の女子中学生


この記事を書いた人 問山栄恵
大城辰男沖縄署長(右)から表彰を受けた(左手前から)金城李香さんと仲村綺良々さんら=15日、沖縄市立安慶田中学校

 【沖縄】沖縄市立安慶田中学校2年の仲村綺良々(きらら)さん(14)と金城李香(ももか)さん(13)が、体調不良で路上にうずくまっていた女性(65)=市照屋=を助けたとして、大城辰男沖縄署長が15日、2人に感謝状を手渡した。同校で開かれた贈呈式には助けられた女性も駆け付け、感謝の気持ちを伝えた。
  
 沖縄署によると、8月22日午後6時ごろ、2人は学校から自宅へ帰る途中、路上でうずくまっている女性を見つけた。声を掛けると、女性は苦しそうに呼吸をしていた。「家まで送ってほしい」と言う女性の荷物を持ち、2人は女性を支えながら一緒に自宅まで付き添った。
  
 持病がある女性は日頃、酸素ボンベや薬などを携帯しているという。この日は歩いている途中で酸素ボンベが切れてしまい、呼吸が困難になった。「炎天下で倒れそうなぐらい苦しかった。誰かにすがりたい一心だった」と当時を振り返り、2人に介抱されながら無事に帰宅できたことに「心強かった」と目を潤ませた。
  
 2人が安慶田中のジャージーを着けていたことを記憶していた女性は、翌日に同校へ連絡。感謝を伝えたいと沖縄署にも相談したことから、今回の表彰につながった。
  
 贈呈式後、2人に駆け寄って花束を手渡した女性は「ありがとうございました。これからも頑張ってね」と声を絞り出した。「2人が大きく成長する姿を陰ながら応援したい」と語り、2人と握手を交わした。
 
 これに対して仲村さんは「人助けで表彰されて、うれしい」と笑みを浮かべた。金城さんは「困っている人がいたら、声を掛けて手助けしていきたい」と控えめに話した。
  
 大城署長は「通りがかりに声を掛け、助けることは勇気ある行動だ」と2人の行動をたたえた。【琉球新報電子版】