訪米中の玉城デニー知事は現地時間の14日、米西部カリフォルニア州のスタンフォード大学で講演し、名護市辺野古の新基地建設の問題点を列挙し「米政府自身が調査してほしいと訴えたい。有権者の皆さんも自身の政府に働き掛けてほしい」と呼び掛けた。2020年度の国防権限法案で在沖米軍などのグアム移転について再調査を求める条項が含まれていることを念頭に置いた発言とみられる。
教授や学生、市民ら約100人が耳を傾けた。玉城知事は新基地建設の問題点として軟弱地盤の問題や大規模地震を想定していないと説明した。琉球王国として独自の歴史を歩んできたことや、人が住んでいた土地が接収され米軍基地が造成された経緯を紹介した。
県民投票の結果を米政府が「日本国内の問題」と相手にしないのは「基地を運用する当事者として責任を放棄している」と非難した。沖縄の米軍基地問題に関心を持ち、有権者として米政府や議員に手紙を書くなど働き掛けてほしいと訴えた。
また、米軍基地周辺で問題となっている有機フッ素化合物(PFOSなど)による水汚染について「(米軍が立ち入りを認めず)汚染の原因を調べることはできないが、県が浄化した水は米軍も使い続けている。アンフェア(不公平)な状態が続いている」と指摘した。
玉城知事は講演に先立ち、専門家らと日米同盟の在り方などについて意見を交わした。15日には首都ワシントンに移動し、19日までに米議会や政府関係者らと面談して普天間飛行場の名護市辺野古移設の見直しを訴える。