史上初、玉城翔太が自転車全10種でV 沖縄県高校新人体育大会 頭一つ抜けていたそのわけとは…


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個人、団体も含めた全ての種目で優勝した北中城の玉城翔太(左)=14日、沖縄市の県総合運動公園自転車競技場(新里圭蔵撮影)

 県高校新人体育大会自転車競技は14日、県総合運動公園自転車競技場でトラック種目を行い、玉城翔太(北中城)が団体を含めた大会の全10種目で優勝した。全種目制覇は35回の大会史上、初めて。

◆全国レベル経験で自信つける

 今大会9種目目のケイリンで玉城翔太(北中城)は出遅れ、先を行く南風原凜之介を追いかける展開となった。残り100メートルで全力を出すも捉えきれず「やばい」と負けが頭をよぎった。そこからぐんぐん伸びてゴール直前で並ぶ。コンマ差で競り勝って拳を突き上げた。最終種目は団体追い抜き。「がっつり10冠しか頭になかった」。危なげなく優勝を決めると、仲間から全10種目制覇の祝福を受け、照れ笑いを見せた。

10冠を喜ぶ玉城翔太

 全国総体と茨城国体のスクラッチで決勝まで進んだ。全国総体では勝負を仕掛け「次につながる負け」と収穫を得た。国体でも実力者らを押しのけて決勝に進み「自信をつけた」。全国レベルを経験し、練習中から強敵のタイムを想定して取り組むようになった。

 今大会は頭一つ抜けていた。スプリントの1回目は相手を風よけに使い、最後の直線で相手をまくった。2回目は200メートルのスプリント勝負で相手の追随を許さなかった。16キロポイントレースは42周回を1位で通過した後もハイペースを維持し、2位以下を置き去りにしたままゴールした。

 ともに全国を経験してきた3年の比嘉祐貴が引退し「自分が高いレベルで引っ張らないといけない」と主将の顔をのぞかせる。九州大会は「1位にならないといけない。日本一になりたいので」と勝利を誓った。
 (古川峻)


<自転車>
▽ロードレース(48キロ)
 (1)玉城翔太(北中城)1時間34分19秒958(2)榎木啓樹(興南)1時間34分20秒598(3)稲嶺盛歩(那覇)1時間34分20秒861
▽1キロタイムトライアル決勝 (1)玉城1分11秒667(2)榎木1分14秒018(3)南風原凜之介(宮古工)1分14秒723
▽スプリント3・4位決定戦 (1)稲嶺(2)南風原
▽同決勝 (1)玉城(2)エムプレオ トシアキ(北中城)
▽16キロポイントレース決勝 (1)玉城33点(2)榎木16点(3)國吉優希(首里東)13点
▽4キロ速度競争決勝 (1)玉城5分19秒675(2)國吉5分26秒689(3)南風原5分28秒653
▽ケイリン決勝 (1)玉城(2)南風原(3)國吉
▽4キロチームパーシュート決勝 (1)北中城5分17秒025(2)沖縄工6分1秒700
▽学校対校総合得点 (1)北中城87点(2)那覇39点(3)宮古工29点