国保税上げ 議会可決 沖縄・宜野湾 来年度1人6千円目安


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2020年度から国民健康保険税を引き上げる条例改正案を賛成多数で可決する宜野湾市議会=9月27日、同議会

 【宜野湾】宜野湾市議会(上地安之議長)は9月27日の9月定例会最終本会議で、2020年度から国民健康保険税を引き上げる条例改正案を与党と中立会派の賛成多数(賛成18、反対7)で可決した。約1億2千万円の税収増を見込み、1996年度以来の改定となる。

 引き上げ幅は所得や世帯人数で異なるが、市は1人当たり約6千円増額を目安に税率を設定した。モデル世帯として、1年の所得が89万円の2人世帯(うち1人は40歳以上)の年額は、1万200円増の10万8900円の試算となる。

 本会議では野党の屋良千枝美市議(社民党)が反対討論に立った。10月から消費税率が上がることなどから「さらなる引き上げは社会的弱者にとって納得できるものではない」と訴え、国庫負担増の要請を市に求めた。賛成討論で与党の呉屋等市議(絆輝クラブ)は「(ジェネリック医薬品利用促進などにより)歳出抑制の取り組みを着実に行い、今後も(国保制度を)持続可能にするため、見直しに理解できる」と強調した。

 条例改正案を審議していた福祉教育常任委員会(山城康弘委員長)は審査期限を延長して議論したが、可否同数となり委員長裁決で可決していた。

 国保は高齢化に伴って医療支出が増加する一方、被保険者が年々減少。低所得者が多く税収確保が難しい現状がある。市は国保の特別会計に一般会計から法定外繰入金を投入しているが、国保特別会計は赤字決算となっている。

 本会議ではほか、2019年度一般会計補正予算案を可決し、4月に北谷町であった在沖米海兵隊所属の米海軍兵が女性を殺害した事件に抗議する陳情を趣旨採択するなどした。