沖縄文化協会3賞 屋良、浜川、久貝氏受賞


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(左から)屋良健一郎氏、浜川仁氏、久貝典子氏

 沖縄文化協会(波照間永吉会長)は17日、沖縄学の若手研究者を対象にした「沖縄文化協会賞」の受賞者を発表した。比嘉春潮賞に名桜大学上級准教授の屋良健一郎氏(35)、仲原善忠賞に沖縄キリスト教短期大学教授の浜川仁氏(53)、金城朝永賞に県立芸術大学付属研究所共同研究員の久貝典子氏(62)がそれぞれ選ばれた。

 歴史と文学の両分野にまたがる研究で、琉球と日本の関係史を捉え直す「日本中世・近世と琉球の政治・文化交流史の研究」が評価された屋良氏は「私は『短歌の人』とのイメージだと思うが、歴史研究を評価され、うれしい。まだまだ勉強したい」と語った。

 英文史料を緻密に分析しながら進める「近世琉球と西欧の文化接触についての研究」が評価された浜川氏は「英国人が書き残した言葉を丹念に拾った。歴史が専門ではないので、文献の読み方など、いろんな方に教えていただいた」と感謝した。

 久貝氏は琉球大学付属図書館で勤務しつつ、鎌倉芳太郎の調査・研究を精密にたどり「染織を中心とした琉球・沖縄工芸史の研究」に取り組む。受賞に「予想外で驚いた。受賞機会を与えていただき、感謝する。同じような研究を志す人が増えてほしい」と喜んだ。

 受賞者3人は、191人の候補者から選考された。授賞式は11月16日午後1時から宜野湾市の沖縄国際大学3号館304教室で開催される。