「よっしゃー!」。ドラフト会議が始まって約2時間半後。興南高校の勝連大稀選手がソフトバンク育成4位で指名された。テレビ中継を野球部寮で見守っていた仲間たちの雄たけびが、校舎内に響き渡った。校長室で我喜屋優監督や大稀さんと一報を待った両親は「自慢の息子です」「ありがとうございます」と涙を拭い、両手でガッツポーズし喜びをかみしめた。
「(5人きょうだいの)頼れるお兄ちゃん。下の子もお兄ちゃんを手本にしてほしい」と語るのは母・市子さん(48)。育成からのスタートだが「ここからはい上がって、きっと活躍してくれる」と目尻の涙を拭う。「祖父母もとても今日を楽しみにしていた。明日報告するのが楽しみ」と目を細めた。
興奮した様子で目を潤ませていた父・健二さん(55)は「本当に自慢の息子だ」と息子の肩に手を置いた。「数年後、チームで活躍する姿を見るのが楽しみ。本当に皆さんありがとうございます」と顔を赤らめながら、指名を見守った仲間らに謝意を伝えた。