環境保全、どう図る 宮古島市職員 カードゲームで学ぶ


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カードゲーム「2030SDGs」に取り組みながら、SDGsへの理解を深める宮古島市職員ら=4日、宮古島市平良の平良港マリンターミナル

 【宮古島】「SDGs(持続可能な開発目標)」への理解を深めようと、宮古島市エコアイランド推進課は4日、市平良港マリンターミナルで市職員を対象にシミュレーションカードゲーム「2030SDGs」を開催した。25人が参加し、ゲームを通して持続可能な島づくりについて意識向上を図った。

 この取り組みは同課が中心となり、各課の課長補佐級の職員が参加してSDGsの理解を深めるため今年9月に発足した「宮古島市SDGs職員ワークグループ」の活動の一環。市の現状の課題を共有しながら、SDGsの考え方を参考に、将来を見据えた施策立案などに役立てる。

 職員らが取り組んだカードゲームはSDGsを体験的に理解するために開発された。国連の職員らも取り組んでいるという。4人1組のグループで設定された目標に向けて、それぞれ手持ちの「お金」と「時間」を駆使し、他のグループとの交渉もしながらさまざまなプロジェクトを達成する。ゲームには「経済」「環境」「社会」といった指標があり、各グループのプロジェクトがそれぞれの指標に影響し、世界の在り方が変化していく。

 この日は序盤、経済だけが急成長し、環境と社会の数値が伸び悩んだ。この状況を踏まえ、後半からは複数のグループが社会の数値を上昇させるプロジェクトを手掛けるなど、それぞれの参加者が考えを巡らせながらゲームに取り組んだ。

 SDGsについてほとんど知らなかったという税務課の佐平涼さん(23)は「最初は経済が先立ち、お金に集中したが、後半は社会と環境に意識を向けて世界全体のことを考えるようになった」と話し、「これまでよりもSDGsについての意識を持つことができたと思う」と感想を述べた。