沖尚粘り8強入り 秋季九州高校野球 福岡工大城東に2-1


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 高校野球の秋季九州大会(第145回九州大会)が19日、佐賀県の佐賀市立野球場などで開幕した。県秋季優勝の沖縄尚学は、福岡2位の福岡工大城東と対戦し、先発の大湾朝日が好投を見せ、2―1で勝利し、8強入りを決めた。このほか、明豊(大分1位)が2―9から逆転し、唐津商(佐賀2位)との乱打戦を20―14で制した。沖尚は21日午前10時から県立森林公園野球場で行われる準々決勝で明豊と対戦する。第2日の20日午後0時半からの1回戦で県秋季準優勝の八重山農林が福岡1位の福岡第一と対戦する。大会成績は来春の選抜大会の選考資料となる。

島袋皓平、沈黙破る適時打

4回沖尚2死一塁 初球を捉え、中越えの適時三塁打を放った沖縄尚学・島袋皓平=19日、佐賀市立野球場(外間崇撮影)

 初回、主砲の久髙塁が相手投手の立ち上がりを捉えた。2死一塁で2ストライクと追い込まれたが「絶対ヒットでつなげる」との気持ちで、バットを短く持った。狙い球の直球を振り抜くと、左翼にきれいな弧を描き、フェンス際への適時三塁打で先制点をもぎ取った。

 続く二、三回は走者をためるものの、適時打が生まれず、停滞ムードが漂い始めた。

 どんよりした空気を打ち破ったのは2番・島袋皓平。「ここで勢いを取り戻す」。狙いを直球に絞り、振り切った球は、中越えの適時三塁打で、1走の當銘椋太が2点目の生還を果たした。殊勲の島袋だが「まだ中盤だったのであえて表情を出さないようにした」と塁上でも笑顔は見せず、終盤まで気を引き締めて挑んだという。

 投げては先発の大湾朝日が、五回まで無安打に抑えるほぼ完璧な内容だったが、七回に崩れ、2死満塁のピンチを背負う。継投の永山蒼は制球が定まらず押し出しで1点差に詰められるが、砂川連の好守備もあり、初戦突破を決めた。

 次戦は選抜出場を大きく引き寄せる4強入りが懸かる。強打が売りの明豊(大分)との一戦。初戦は6安打2得点と相手投手を捉えきれなかっただけに、比嘉公也監督は「打線の修正力が課題になる」と表情を引き締めた。

(上江洲真梨子)