特支学級生徒の修学旅行付き添い 経費負担の申し出4件 公的補助なし報道受け


この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
同級生と一緒に授業を受ける湯地駿羽さん=那覇市立小禄中学校

 人工呼吸器を使用しながら那覇市立小禄中学校に通う湯地駿羽(ゆじはやと)さん(14)の修学旅行で保護者の付き添いにかかる費用は国の補助が適用されない件で、本紙の20日付報道などを受けて同校に「旅費を負担したい」などの申し出が21日午前までに、メールと電話で計4件寄せられた。山内治教頭は「ありがたい反響」とし「どのような形で応じていくのがいいのか市教育委員会と協議している段階だ」と説明。駿羽さんの母三代子さん(44)は「ありがたい申し出で感謝しかない」とした上で、「今回声を上げたのはインクルーシブ教育の体制や制度を作るためなので、引き続き制度整備は求めていきたい」と話している。

 修学旅行は12月中旬、2泊3日の日程で関西に行く予定。生徒1人当たりの費用は約7万円で、保護者が付き添う場合、現地の移動費も含め約30万円がかかる見込みだ。国の「特別支援教育就学奨励費」制度では、特別支援学校と特別支援学級で補助対象や割合が異なり、特支学級では付添人の経費補助はない。

 山内教頭によると、申し出のうち、2件はメールで東京都在住の理学療法士の男性と、那覇市内に住む看護師の女性からだった。いずれも旅費などの必要経費を自己負担した上で、「修学旅行に帯同して駿羽さんの介助をする」という内容だった。21日朝には那覇市内の男性医師から「何か自分にできることはないか」と電話があったほか、起業家を名乗る男性からも支援の申し出の電話があった。