「民間地上空飛ばないで」 米軍機部品落下か 基地周辺住民に不安 米軍の機体整備に疑問


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部品が脱落したMC130特殊作戦機の同型機。点線部分が一部脱落した着陸装置の主脚=2017年、米軍嘉手納基地付近

 【中部】米軍嘉手納基地でMC130J特殊作戦機の主脚の部品の所在が一時、不明となったことが判明した21日、嘉手納基地周辺やこれまでに米軍機からの落下事故があった地域に住む人々は「危険だ」「民間地の上空を飛ばさないで」などと求めた。米軍機の整備・点検態勢への疑念も訴えた。

 嘉手納爆音訴訟原告団で事務局長を務める平良眞知さん(68)=うるま市=は、MC130が日頃から民間地上空を飛ぶ現状に触れて「(部品が上空から落下して)直撃すれば、命を失う危険がある。そのような環境で暮らしているのは異常なことだ。ウチナーンチュの命と生活を脅かす基地は撤去すべきだ」と語気を強めた。

 米軍機の事故への日米両政府の対応について、「県民に対しての言い訳にしかなっておらず、われわれが一番に願う危険性の除去は期待できない」と切り捨てた。

 今年6月に米軍ヘリのゴム製テープが落下した浦添市の浦西中学校で、PTA会長を務める大城保さん(53)は「子どもたちの上に落ちてこないか心配だ」と話す。「とにかく機体の整備を徹底して、少なくとも学校上空は飛ばないでほしい」と訴えた。

 2017年12月に米軍ヘリの窓が落下した普天間第二小学校に児童が通う30代の父親は「常に上空を米軍機が飛んでおり、不安はある。日本政府が米軍側に申し入れても何も変わらない状況だ。(MC130が飛来する)飛行場は早く撤去してほしい」と話した。