好守にらしさ発輝も比嘉監督「詰め甘い」 秋季九州高校野球


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9回2死満塁、右中間へのライナーに必死に飛びつくも及ばなかった沖縄尚学の中堅手・崔哲瑋

 高校野球の秋季九州大会第3日は21日、佐賀県で行われ、沖縄尚学は準々決勝で大分1位の明豊と対戦し、6―7で惜しくも4強入りを逃した。6―3とリードして迎えた九回表、明豊に4点を奪われ逆転を許した。1点を追う沖尚は裏の攻撃で粘りを見せたが、追い付くことはできなかった。このほか、創成館(長崎2位)が宮崎日本大(宮崎2位)に4―3でサヨナラ勝ち。鹿児島城西(鹿児島2位)は8―0で城北(熊本2位)に勝利。大分商(大分2位)は福岡第一(福岡1位)に5―2で競り勝った。準決勝は23日、佐賀県立森林公園野球場で行われる。

 4強進出をあと一歩のところでつかみ損ねた。強打の明豊に毎回のように出塁を許しながら、大量失点は許さなかった。終盤の好機に畳み掛け、春の選抜出場が確実となる4強入りは目前だったが、果たせなかった。選手たちは「勝てない相手ではなかった」と肩を落とした。

 “魔の九回”だった。6―3とリードは十分で入った表の守り。先頭打者のゴロが三塁手・與谷友希の捕球直前にイレギュラーバウンドし、取り損ねる。この日、チーム唯一の失策だ。與谷は「飛んできた球に合わせたが跳ねて変化した。投手に申し訳ない」と唇をかんだ。

 1点を返され、連打と死球で無死のまま全ての塁を埋められる。マウンドの永山蒼が130キロ台後半の直球と変化球を駆使した三振などで2死とする。だが、次打者に走者一掃の逆転3点適時打を浴びてしまった。

 守りの沖尚らしい好守備もあった。三、四、六、八回はいずれも併殺で切り抜ける。投げては、先発の大湾朝日が六回までを務め、代わった永山も調子は上向きだったという。リードを守り切れなかった永山は「選手に合わせて捕手と相談しながら選球し、変化球もよく決まっていた。それだけに、勝てた相手だった」とうなだれる。

 比嘉公也監督が何度も口にしたのは「詰めが甘く、粘り強さが足りない」。これ以上ない悔しさを味わうと同時に、課題はよりはっきりした。指揮官は九州での収穫を糧に成長することをナインに期待した。
 (上江洲真梨子)