名城政次郎さん名誉市民 台湾・嘉義市 教育、文化交流に貢献


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嘉義市の黄敏恵市長(左)から名誉市民証書を受け取る名城政次郎さん=22日午後、台湾・嘉義市役所

 沖縄台湾会会長の尚学学園理事長・名城政次郎さん(88)が22日、台湾の嘉義市から名誉市民として表彰された。

 沖縄尚学高校で台湾の留学生を受け入れるなど、台湾―沖縄の文化、教育の交流に貢献したほか、1931年に甲子園で準優勝した嘉義農林学校(KANO)について広くアピールしたことなどが評価された。

 嘉義市の名誉市民は日本人としては池田大作氏以来2人目。県内からは名城さんが初めて。嘉義農林野球部OB会、台湾棒球名人堂協会、嘉義市工業会が推薦した。

 嘉義市役所で行われた贈呈式で黄敏恵嘉義市長は「名誉市民は本当に市に貢献した人にしか贈らないので、受賞する人は少ない。嘉義市のために尽力していただき、感謝している。野球の交流もぜひお願いしたい」などとたたえた。名城さんは「15歳まで暮らした嘉義市は故郷も同然だ。きょうは皆さんに感謝するために来た。賞にふさわしい活動をしていきたい」と述べた。

 名城さんは30年に日本統治下の嘉義市で生まれた。父政雄さん(那覇市泊出身)は嘉義市の市長秘書や教員、祖父の政成さんは公学校の校長を務めた。名城さんは終戦後、台南一中2年の時に、鹿児島に引き揚げ、母親の出身地愛知県の岡崎中(旧制)に編入した。

 贈呈式には黄市長以下、市の幹部や平田久雄沖縄・台湾交流振興会会長、沖縄尚学学園の関係者、名城さんの家族らが出席した。