対人関係が苦手でも大丈夫 「就活アウトロー」を支援 個性、価値観重視の採用 仕事支援団体が企業と若者をマッチング


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「就活アウトロー採用」への参加を呼び掛けるBowLの徳里政亮さん=23日、那覇市泉崎の琉球新報社

 対人関係やコミュニケーションが不得意などの理由で、一般的な就職活動になじめない学生など29歳以下の若者を対象に、それぞれが持つ個性を企業の求人とマッチングさせる「就活アウトロー採用」という取り組みが11月から、沖縄県内で始まる。企業の採用スケジュールに沿って履歴書を提出し、筆記試験や面接を受ける一般的な採用方式ではなく、ワークショップなどを通じて本音や価値観を語り合って採用を決める。

 同取り組みは東京都のNPO法人キャリア解放区が2013年から実施しており、採用の際に個人と企業の「共感」や「信頼関係の醸成」などを重視する。沖縄での開催は、うつ病の人の仕事復帰支援などに取り組むBowL(浦添市、荷川取佳樹社長)が請け負う。

 「就活アウトロー」とは、既存の就活制度に違和感を持つ29歳以下の若者を表現するキャリア解放区がつくった造語。就職希望者は1泊2日の合宿に参加することが必須で、それぞれが自分の趣味や興味・関心を話し合うことから始める。履歴書の添削や面接対策などの指導は一切しない。

 後日、働くことの意義や自分が仕事でどういうことをしたいか、どうなりたいかなどのイメージを議論するワークショップを行う。最後に企業の担当者を交えた面談の場を設ける。担当者は企業名や業務内容は明らかにせず、「生きるとは」とか「信頼とは」など抽象的なテーマで議論し、「自社の風土に合うか」などの基準で採用を決める。

 BowLの徳里政亮さんは一般的な就職活動について「履歴書や志望動機の説明を工夫し、面接では学生時代にサークルの部長をやったとか、社会活動に取り組んだなど自己PRに力を入れると思う」と解説する。「就活アウトロー採用は個人の個性と価値観を重視する。興味のある個人や企業はぜひ参加してほしい」と呼び掛けた。

 問い合わせはBowL(電話)098(879)0167。