与那覇恵子さんが福田正夫賞 沖縄県内初の受賞 「沖縄の声」表現


社会
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与那覇恵子さん

 詩人の新人発掘と現代詩壇への貢献を目的にした「第33回福田正夫賞」(福田正夫詩の会主催)に、県内で発行する詩誌「非世界」「南溟」会員の与那覇恵子さん(66)=那覇市=が1月に刊行した詩集「沖縄から 見えるもの」(コールサック社)が選ばれた。主催者によると1987年に創設された同賞で沖縄からの受賞は初めて。

 受賞作は3章で構成し、計39編を収録している。過重な米軍基地負担を抱える中で続く県民の暮らしや、そうした中でも生きる誇りなどを詩に表現している。全国から推薦された約20人の中から選考された。

 主催した「福田正夫詩の会」の福田美鈴代表は「沖縄問題を取り上げているが、基地反対をストレートに出すのではなく、詩人の生き方が優しく表現され、身に染みる。現代詩の表現力が優れている」と評価した。

 自身初の個人詩集で受賞した与那覇さんは「思いがけないこと」と喜び「タイトルが示すように、沖縄の声を届けたいと思った。真剣に詩に向き合っていこうと思う」と気持ちを新たにした。

 表彰式は12月7日午後5時から東京都の国学院大学・院友会館で開かれる。