那覇市民会館の部分復元を答申 検討委、赤瓦や雨端、ひんぷん再現


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城間幹子市長(右)に答申書を手渡す小倉暢之委員長=24日、那覇市役所

 老朽化により閉館した那覇市民会館の保存手法について検討する「那覇市民会館保存可能性等検討委員会」(委員長・小倉暢之琉球大名誉教授)は24日、解体した上で特徴的な部分を再現する「部分復元」を基本とする手法が「最も優れている」と市に答申した。

 市民会館の与儀公園側と県道222号側のひんぷんや雨端(あまはじ)(ひさし)、赤瓦を主に再現する。現在の建物で利用可能な部分や材料は活用する。

 検討委は2018年3月から5回の会合を持った。(1)外観をそのまま保存(2)部分的に保存(3)部分復元(4)記録のみの保存―の4手法から安全性やコストを考慮しながら検討した。

 小倉委員長は「建物をそのまま残すのは難しい。造り直すことで昔の形を残せるならそれも保存の方法だ」と説明した。「沖縄の文化的アイデンティティーを求める復帰前の社会的雰囲気を形で表した文化財的な建築だ。復帰記念式典が行われた歴史的な場所でもある。できるだけ正確に姿を残したい」と話した。

 城間幹子市長は「答申を最大限尊重して新たな施設を提供すべく努力する」と述べた。市は跡地に真和志支所など22の機能を持つ複合施設を計画している。