「自分の住む街でも」 LGBT当事者 差別禁止の条例案に歓迎


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性の多様性尊重に関し条例化を歓迎するパンセクシュアルの玉城福子さん=16日、西原町の琉球大学

 【浦添】性別を理由とした差別を禁じ、市民や事業者に性の多様性への理解を求めた沖縄県浦添市の条例案。条文を読んだ県内の性的マイノリティーからは「自分が住む街でも制定してほしい」など条例化を歓迎する声が上がった。

 沖縄市の玉城福子さん(34)は恋愛の対象となる性を問わないパンセクシュアル。浦添市の条例案に「行政の責務が明文化された点がいい」。パートナーが役場に住民票を取りに行った際、玉城さんとの関係を聞かれたことがある。「条例ができれば、何かあった時に相談しやすくなるのでは」と期待した。

 琉球大法科大学院が作成した条例素案では、市民と事業者にも責務を課していた。しかし市が示した条例案では「役割」とトーンダウン。市市民協働・男女共同参画課の森田牧子課長は「まずは性の多様性の尊重に理解を深めてもらう必要がある。『責務』は重いと判断した」と説明した。

 2年前から不妊治療を続けるゲイの男性(34)=沖縄市=はパートナーシップ制度に関連し、生殖・育児への支援も明記すべきと訴える。

 「自分が接するゲイはほとんどカミングアウト(公表)していない」と男性。「条例化で性について理解が深まれば、少しずつ生きやすくなると思う。他の市町村にも広がってほしい」と話した。