全国知的障害特支学校高校サッカー選手権 沖縄特支が初の挑戦


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「もうひとつの高校選手権2019」九州地区予選を勝ち上がって、本選出場を狙う沖縄高等特別支援学校の選手、スタッフたち

 知的障がいサッカーの日本一を決める、第5回全国知的障害特別支援学校高校サッカー選手権「もうひとつの高校選手権」の九州予選(11月4日、長崎県フットボールセンター)に、沖縄高等特別支援学校(うるま市)が出場する。県内からの出場は初めて。日本代表候補強化合宿にも招集された平良海人主将を中心にしたパスサッカーで頂点を目指し、本選出場を狙う。

 九州予選は沖縄、福岡、鹿児島、長崎から4校が出場。沖縄特支の初戦の相手は前年度の九州大会優勝県の福岡の北九州学園だ。初戦を勝てば全国から12チームが参加する本選(2020年2月、静岡)への出場が決まる。

練習に汗を流す沖縄高等特別支援学校サッカー部の選手たち=29日、うるま市の沖縄高等特別支援学校(喜屋武研伍撮影)

 パスサッカーが持ち味の沖縄特支は、4―5―1のシステムで臨む。CBの宮城空志らが最終ラインで堅く守り、ボールを持つと身長179センチ、体重69キロのボランチ・平良が冷静に戦況を見て、細かいボールタッチからパスを供給。前線の与那原貴都や、ワントップの金城洋斗らが積極的にゴールを狙っていく。

 安里洋介監督は「全国でも優勝を目指せるチーム」と期待する。これまでも出場のチャンスはあったが、体育協会に所属していないなどの理由から外部の援助を受けられず、資金面で見送ってきた。選手たちの気持ちをくみ取った保護者らが「OKTサッカー部保護者会」を立ち上げ、遠征資金を募り、出場が実現した。

 大会を前に、平良主将は「わくわくしている。まずは楽しむ。初戦を突破して良い成績を残したい」と声を弾ませた。与那原は「少し緊張しているが、優勝を目指したい」と高みを見据えた。選手、家族、スタッフが一丸となり、夢の舞台まで駆け上がる。

(喜屋武研伍)