功績たたえ合同祝賀会 芸術院賞・宮城能鳳さん 人間国宝・中村一雄さん


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関係者から笑顔で花束を受け取る(右から)中村一雄さんと宮城能鳳さん=29日、那覇市泉崎の沖縄ハーバービューホテル(喜瀨守昭撮影)

 日本芸術院賞を受賞した宮城能鳳さんと、国指定重要無形文化財「琉球古典音楽」(各個認定)保持者=人間国宝=に認定された中村一雄さんの合同祝賀会(同実行委員会主催)が29日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開催された。約500人が参加し、琉球芸能に携わる人々を勇気付ける快挙を成し遂げた2人の功績をたたえた。来賓祝辞を、日本芸能実演家団体協議会会長で「狂言」の人間国宝・野村萬さんが述べた。

 能鳳さんは6月に日本芸術院賞を受賞し、中村さんは今月25日に人間国宝に認定された。富田詢一琉球新報社代表取締役会長が実行委員長あいさつで、野村さんの文化勲章と能鳳さんが文化功労者に選ばれたことを報告すると会場が沸いた。城間幹子那覇市長、大田治雄久米島町長も駆け付け激励した。

 祝賀会の「浜千鳥」は、人間国宝の照喜名朝一さん、西江喜春さん、比嘉聰さんが地謡、国の重要無形文化財「琉球舞踊」保持者が踊りを務めた。同保持者による「かぎやで風」も上演された。琉球芸能の重鎮らが快事を祝った。

 中村さんは「多くの芸能仲間や周囲の方々に支えられ感謝している。妻や息子にもお礼を言いたい。私たちは琉球古典音楽を継承し、発展させる義務がある。認定は身に余る光栄だが、まだ修行中の身。芸能道は終わりがない。覚悟を持って歌三線の道に精進したい」と謝辞を述べた。

 能鳳さんは「ここまでやってこられたのは、ひとえに能造師匠をはじめ、立方・地謡の先達たち、一緒に稽古し舞台を踏んできた皆さま、多くの組踊ファンのおかげだと感謝の気持ちでいっぱいだ」と話した。