嘉弥真、1回完全 スライダーに手応え 役割全う プレミア12強化試合


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 野球の国際大会「プレミア12」に出場する日本は31日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇でカナダとの強化試合第1戦を行い、5―6で敗れた。

日本―カナダ 8回に登板し、三者凡退に抑えた嘉弥真新也=31日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(ジャン松元撮影)

 1万4858人の大声援と指笛に迎えられ、八回にマウンドに立った嘉弥真新也。最速138キロの直球とスライダーを織り交ぜ、1イニングを守り抜くとこの日一番の歓声が上がった。左打者が続く八回、嘉弥真の出番はやってきた。名前が呼ばれると客席から嘉弥真コールが鳴り響いた。

 カナダの6番・左打者に三振を決めると、7番・右打者を左飛、8番左打者を空振り三振と、一塁すら踏ませずに15球で仕留めた。

 右打者に対しては「会沢捕手のリードのおかげ」と直球が決まった。ストライクが決まる度に広がる拍手の波に「もう少し(マウンドに)いたかった」とホームの歓迎を実感した様子。

 試合後、報道陣の取材に「直球は抜けてる感じもあったが、スライダーは良く仕上がってきた」と、プレミア12への手応えもつかんだようだ。

 未明に起きた首里城火災で落胆する県民を好投で盛り上げた。2日連続で登板する可能性もあるとみており、「明日も良いピッチングで挑みます」と額に汗を浮かべながら会場を去った。
 (上江洲真梨子)

「がんばれー!」と大きな声で嘉弥真選手に声援を送る親戚ら

「県民を元気付けた」 嘉弥真好投、親戚ら声援

 「頑張れ新也ー!」。侍ジャパン強化試合の八回表、石垣市出身の嘉弥真新也が登板すると、左翼スタンドにいた嘉弥真の親戚ら約15人が、声を張り上げた。一球一球に歓声を挙げ、好投に拍手を送った。

 伯母の比嘉モリ子さん(64)は首里城で未明に起きた火災を念頭に「新也の投球は県民を元気付けたと思う。試合は負けたけどしっかり役割を果たしてくれた」と瞳を潤ませながら、満面の笑みを見せた。

 石垣市の自宅でテレビ観戦した母・岩子さん(57)は代表ユニホームで投げる息子の勇姿に「本当に信じられない」と感慨深げ。「投げてる時はずっとドキドキしてたけど、いい投球で安心した」とうれしそうに話した。