首里城焼失 関係省庁が対策班 補正予算の計上視野に


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 【東京】首里城が焼失した事態を踏まえ、政府は1日までに、早期の首里城再建に向けて必要な対策を考えるため、複数省庁にまたがる対策検討チームを発足させた。再建の検討に向けて必要な調査などの費用を、早ければ本年度の補正予算案に計上することも視野に予算化に向けて調整も進める。火災の原因究明と並行しながら再建へ向けた作業も進めていくとみられる。

 建物の再建に加え、防火体制や文化財についても検討するため、消防庁や文部科学省など複数の関係省庁にまたがる。菅義偉官房長官は1日の会見で、現状把握や再建に向けた措置を考える上で省庁横断的なチームが必要ではないかとの質問に「当然そう思っている。現時点においても担当者レベルでそういうチームをつくっている」と述べ、既に事務レベルで調整を進めていることを明かした。

 予算措置についても菅官房長官は「まず県民の皆さんからお話をうかがった上で、政府として全て責任を持って対応していく。予算が必要であれば責任を持って政府としてしっかり対応していきたい」と述べた。

 菅官房長官は「首里城は国営記念公園の施設なので、できる限り早期の再建を目指して取り組んでいきたい」と述べ、スピード感ある対応を目指す考えを示した。政府与党内からも補正予算で早期に対応するよう求める声が上がっている。

 一方、衛藤晟一沖縄担当相は1日の閣議後会見で、再建に向けた費用について検討を始めたばかりだとした上で「ほとんどが国費になると思う」との認識を示した。その上で、県内外の自治体などから寄付金を募る動きが出ていることを踏まえ「県民、国民の心を集め、一緒に再建に向けて頑張る体制を作り上げることができれば一番いい」と話した。国民からの寄付金を活用しながら首里城再建を進めていくことに前向きな姿勢を示した。