琉大付属病院 ゲノム外来、年内にも がん治療で遺伝子検査


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 琉球大学付属病院はがんの多数の遺伝子を同時に検査し、がんによる遺伝子変異を明らかにして患者の体質や症状に合わせた治療を行う「がんゲノム医療」外来を年内にも始める。1日に琉大で開かれた2019年度の第3回県がん診療連携協議会で報告した。

 「がん遺伝子パネル検査」という方法で、琉大付属病院がんセンターの増田昌人センター長によると、多数の遺伝子を網羅的に調べることで遺伝子変異を多く発見し、対処法を探ることができる。

 症例数が少なく標準治療が確立していない希少がんの治療法が広がる可能性があるという。ただ、薬が提示できる患者は検査したうちの1割程度で、治療法には依然として課題がある。

 「がんゲノム医療」は、ことし6月から希少がんの患者などへのパネル検査が保険適用されたことを受け、準備を進めてきた。標準治療を終えた人も保険適用され、県内では年間で約4千人が対象になり得るという。

 外来は琉大付属病院の患者から始め、院外の患者受け入れへと拡充する計画だ。