経済

観光客落ち込み懸念 周辺事業者「活性化が必要」 首里城焼失

飲食店や土産品店が立地する首里城近くの通り。事業者らは観光客の減少を懸念する=2日、那覇市

 沖縄を代表する観光地として年間280万人が訪れる首里城が火災で焼失し、周辺の飲食店や土産店などから観光客の落ち込みを懸念する声が上がっている。火災後初の週末を迎えた2日、個人客を中心に首里城周辺は観光客の姿が見られた。しかし、事業者は「これから先は間違いなく減少する」との見方で一致する。未明に火災が起きた10月31日以降、首里城公園は閉園が続き、大型観光バスが行き交う光景は途絶えている。すでに観光客の減少に直面する事業者もあり、先行きに不安を抱えている。

 那覇市首里の鳥堀交差点近くで観光案内所を運営する山城岩夫さんは「火災の前と比較すると、足を運んでくれる人が8割近くも減っている」と厳しい表情を見せる。案内所はボランティアでやっており、首里城の入場券や土産品の販売、レンタルサイクルなどで運営費を賄う。

 今後は入場券の販売ができなくなり、訪問者が減少すれば案内所の運営が苦しくなる。山城さんは「いつまでこのような状況が続くのか」と頭を抱える。

 首里城近くのアイスクリーム店の西垣洋子さんは「守礼門だけでも見たいという観光客の声があり、早く首里城近くに入れるようにした方がいい」と求めた。

 おきぎん経済研究所は首里城焼失の影響について「沖縄の歴史と文化を象徴する非常に重要な存在で、沖縄観光において唯一無二の存在。世界遺産であることに魅力を感じる観光客も少なくない」と指摘し、中長期的に沖縄の入域観光客数全体にも関わる事態を懸念する。
 首里の和菓子店「四季彩」の知念政秀さんは「これからが大変だ」と危機感を募らせる。火災発生の直後は、焼け落ちた首里城を見るために多くの人が集まったという。しかし、今後は首里を訪れる人が少なくなると予想する。知念さんは「地域のみんなで力を合わせて、活性化につなげる必要がある」と強調した。

 首里城近くでパーラーや居酒屋を経営する多和田愛美さんは「普段の週末より(店舗前の)通りを歩く人が減っているように感じる」と語る。店舗には観光客だけではなく、首里城で働く人も多く訪れるという。多和田さんは「最近は通りに人が増えて活気が出てきていた。今の流れを止めないために、行政も支援をしてほしい」と願った。



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