前原 1年越しで強敵に雪辱 全国高校サッカー県大会


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 サッカーの第98回全国高校選手権県大会は2日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで準決勝を行った。前原が3―1で第1シードの那覇西に勝利した。普天間は3―0で具志川を圧倒した。前原は5年ぶり、普天間は3年ぶりの決勝進出を果たした。決勝は11月9日午後2時から、同スタジアムで行う。

那覇西―前原 後半、ゴール前の混戦からボールを奪う前原の榮門龍信(左)=2日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 後半ロスタイム、右サイドから素早く展開した榮門龍信のクロスを、大城魁人が流し込んでダメ押しの3点目とした。跳び上がって喜ぶ前原イレブン。昨年の準決勝で敗れ、1年間この日のために走り込み、自らの足でつかんだ勝利だった。

 立ち上がりから、那覇西のボールホルダーにハイプレスをかけ、主体的にプレーさせなかった。パスミスを誘ってインターセプトする場面が増え、前原のペースで試合が進む。前半6分は相手DFの間でパスを受けた池根翼が押し込んで先制した。

 徐々に那覇西がボールを握る時間が増えていく。津覇勇気、新垣大輝らを中心にラインを高く保ち、全員で組織的な守備で何度も窮地を切り抜けた。劣勢にもラインを高く保ち続け、強気な姿勢のまま最後までピッチを駆け回った。

 和仁屋恒輝監督は「風下に立った後半も足を止めず、よく走ってくれた」とうなずいた。津覇は「体力的にきつくなっても声掛けして盛り上げられた」と成長を実感した。

 試合後はうつむく那覇西の選手たちの肩に手を当て、ねぎらい続けた平川龍主将。「決勝は那覇西の分まで、頑張りたい」と対戦した選手たちの思いも乗せて、9日の決戦に臨む。

(喜屋武研伍)