オスプレイ、沖縄近海で空中給油訓練 先月22日、米軍がサイト掲載 16年の墜落原因に


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訓練で空中給油を受けるMV22オスプレイ=10月22日、沖縄近海(米軍サイトより)

 米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが10月22日、飛行中に給油を受ける空中給油訓練を沖縄近海で実施したことが分かった。2日までに米軍サイトで写真が掲載された。2016年12月にオスプレイが名護市安部の海岸に墜落した事故は、夜間の空中給油中にオスプレイのプロップローター(回転翼部分)と空中給油機の給油ホースが接触したことが原因だった。

 米軍サイトによると、10月22日の訓練でオスプレイは米軍岩国基地所属KC130J空中給油機から空中給油を受けた。時間帯は不明だ。

 空中給油は燃料を供給する機体の後方に付いて後ろに出ている給油ホースに自らの先端にある給油管を差し込む必要がある。操縦士には高度や速度を合わせて飛行する技術が求められる。

 さらにオスプレイは特有の機体構造から空中給油の難易度は高まるとされる。プロップローターを真上に向けたヘリモードでは機体が不安定なため、空中給油を受けることはできない。そのため、ローターを前に向けた固定翼モードで空中給油を受けるが、その場合、給油ホースとローターの距離が近くなり、接触する可能性が高まる。

 オスプレイについて緊急時の手順をまとめた米軍の確認書でも、空中給油中に給油管がローターに接触する恐れを示唆し「大惨事を引き起こしかねない」と注意している。

 空中給油を巡っては、米海兵隊岩国基地(山口県)所属部隊が2016年に、沖縄県沖の上空で戦闘機と空中給油機の接触事故を起こしながら公表せず、正式な調査も見送っていたことが2日に判明している。