県指定文化財3点は無事 首里城焼失、収蔵庫内で延焼免れる


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首里城の奉神門。火災により骨組みのような木材がむき出しになっている=4日午後1時31分頃、那覇市の首里城公園(喜瀨守昭撮影)

 那覇市の首里城火災で、南殿地下と寄満(ゆいんち)の収蔵庫に保管されていた県指定有形文化財3点が火災による焼損を免れ、無事だったことが4日、関係者への取材で分かった。南殿地下の収蔵庫に設置された特殊な防火装置が作動し、火災による熱や煙の侵入を防いだという。県警と那覇市消防局は同日、引き続き実況見分を実施し、火元とみられる正殿北側のがれきの撤去を終えたと発表した。今後、火災時の状況や原因の分析を急ぐ。

 関係者によると、南殿地下の防火装置は非常時に作動し、収蔵庫内の酸素を無くすためのガスが放出される仕組みになっている。ガスによって酸素濃度が薄くなり、収蔵庫内での燃焼を防ぐ役割を果たすとみられる。

 首里城公園を管理運営する沖縄美ら島財団の花城良廣理事長は衛藤氏との視察後、報道陣の取材に応じ寄満の収蔵庫にあった文化財について「一部がぬれているため、カビが生えないよう専門家とともに処置をしている」と明かした。

 県警と市消防局は4日午前から、約100人体制で実況見分を実施。3日に見つかった分電盤などの電気設備についてはブルーシートがかけられたままで調査はせず、今後、専門家を交え調べる方針。