8年間磨き続けた、高難度投法 仲里(那覇商) ゆっくり成長、悲願の王者 県高校新人ボウリング


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女子個人決勝、ハイバックスイングから豪快な投球を見せる仲里葵(那覇商業)=5日、那覇市具志のスカイレーン(喜屋武研伍撮影)

 県高校新人体育大会のボウリング競技は5日、那覇市具志のスカイレーンで行い、女子個人戦決勝は仲里葵(那覇商業)が儀間奈菜美(同)を下し、初の頂点に立った。男子は登野城温斗(北中城)が我如古悠人(美来工科)を制し、栄光をつかんだ。団体戦は中部商業の男子(宜保和志・稲嶺秀汰)、女子(筈井海光・稲福心衣奈)が優勝を飾った。

 腕を高々と振り上げ、振り子運動の勢いで投げる「ハイバックスイング」。習得難度の高いこの投法を、仲里葵(那覇商業)は小学4年から続けてきた。指導する下地良信さん(サザンヒル)が「まるで亀のようにゆっくり成長してきた」と語るよう、結果が出ずに苦しんだこともあった。粘り強く大好きなボウリングに打ち込み、競技歴8年目で悲願の県王者に輝いた。

 周囲に影響されたわけではなく「助走に合わせるために腕が上がっていた」と自然に身についた。球速は出るが、スイングの軌道がぶれやすくなってしまう。上達に近道はなく、ひたすら反復練習を繰り返して自分のものにしていった。今では一般女子が出す平均20キロを上回る、23~24キロほどで投げ込む。

 県大会では決勝トーナメントに残るが、周囲から注目される舞台に慣れず、いつも初戦負け。那覇商業で2年に進級し、後輩ができると「先輩はしっかり点を取らないとな」と手本になれるように努めた。

 今大会決勝の相手は、一つ下の後輩の儀間奈菜美(那覇商業)。6フレーム目まで2ピン差で先行していた。「絶対に負けられない」と気持ちを切らさず、8フレーム目からターキーを奪い、相手を突き離した。

 下地さんは仲里が仲間から祝福される姿を見て、「とってもうれしいね」としみじみ。仲里は「全国選抜でも上位を目指せるように頑張りたい」と自信をみなぎらせた。
 (喜屋武研伍)


(5日、スカイレーン)
 【男子】
▽団体戦結果 (1)中部商(宜保和志、稲嶺秀汰)2262点(2)美来工科(我如古悠人、仲田亜利斗)2114点(3)沖縄工(仲里篤士、根路銘琉音)1954点

▽個人戦決勝トーナメント準々決勝
登野城温斗 (北中城) 183―177 中里 隆星 (首里東)
玉寄 満大 (小 禄) 204―156 名嘉山 洋(沖縄水産)
具志堅 萩(美来工科) 178―174 照屋 琉輝 (南風原)
我如古悠人(美来工科) 180―149 宜保 和志 (中部商)

▽準決勝
登野城 176―138 玉寄
我如古 165―149 具志堅

▽決勝
登野城 234―159 我如古

▽同ハイシリーズ 登野城665点
▽同ハイゲーム 棚原怜弥(中部商)268点

 【女子】
▽団体戦結果 (1)中部商(筈井海光、稲福心衣奈)2242点(2)那覇商(仲里葵、儀間奈菜美)2034点(3)小禄(上原あかり、崎浜未来)1725点

▽個人戦決勝トーナメント準々決勝
儀間奈菜美 (那覇商) 202―152 稲福心衣奈 (中部商)
登 川 舞 (美 里) 179―151 上原あかり (小 禄)
仲 里 葵 (那覇商) 171―130 高良 紗恵 (中部商)
池原 美琴 (コ ザ) 180―142 筈井 海光 (中部商)

▽準決勝
儀間 212―139 登川
仲里 224―178 池原

▽決勝
仲里 201―177 儀間

▽同ハイシリーズ 稲福634点
▽同ハイゲーム 稲福236点