宮古島陸自弾薬庫工事の着手から1カ月 宮古のため「許さない」 高齢化の集落、住民抗議続ける 「仕方ない」の声も


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シュプレヒコールを上げながら弾薬庫建設に抗議する保良地区の住民ら=5日、宮古島市城辺

 【宮古島】宮古島市城辺保良で陸上自衛隊の弾薬庫施設工事が着手されて1カ月。建設現場入り口前では保良地区の地域住民らが「危険な弾薬庫建設は許さない」などと声を上げ、抗議活動を続けている。建設地に隣接する保良・七又の両集落は高齢化のため、日々の抗議活動では人数が10人に満たないこともあるが、参加する住民らは「諦めない」と声をそろえる。

 「保良住民・弾薬庫反対!住民の会」の下地博盛共同代表は「これから造成工事に入っていく局面があると思うが、何とかとどめるような道を見いだしたい」と語る。反対の意思はあっても歩行が困難な高齢者も多く、「抗議活動は住民が核にならないといけないが、なかなか広がらないのが課題だ」と険しい表情も見せる。「いずれにせよ声は上げ続けなければならない。引き続き島内外にも呼び掛けながら、闘いを続けていく」と語った。

 着工の日から抗議に参加する保良地区住民の下地守さん(74)は「住民を踏みつけるようなことを平気でやってのけている」と批判。「正直、諦めの気持ちも少しあったが、抗議の場に若い世代の人が来て励まされたこともあった」と話し、「やはり許せないものは許せない。宮古島の今後のためにも、抗議の意思は示し続けたい」とした。

 一方、保良集落の商店で買い物をしていた男性住民は「もう決まったものは仕方がない」と肩を落とし、「どうせ工事は進むので、振興策を条件に受け入れを検討するのも現実的ではないか」などと話した。
 (真栄城潤一)