沖縄県、米軍機事故把握も発表せず 「全体像不明で」


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 高知県沖で発生した米軍機事故の報告書によって沖縄本島沖での事故が新たに発覚した問題に関し、県が先月18日に沖縄防衛局から未公表の事故に関する記載があると通知を受けていたにもかかわらず、公表していなかったことが分かった。県基地対策課は「(事故の)全体像が分からなかったので発表しなかった」としている。

 県基地対策課によると、同課は防衛局から知らせを受け、直ちに詳細を照会。返答を待っている状態だという。今後の対応については事実関係を確認後、検討する。同課は「的確な情報を出す必要があるので、ある程度の確認が取れてから出すべきだと考えている」と説明した。

 一方、事故の事実が記されている報告書自体は米海兵隊のウェブサイトから入手可能で、その旨を防衛局から知らされ県担当者は入手している。

 沖縄本島沖でFA18戦闘攻撃機とKC130空中給油機が接触した事故は2016年4月に発生した。米海兵隊は公表せず、日本側にも伝えなかった。その2年7カ月後の18年12月に発生した高知県沖での事故に関する報告書がこのほど公表され、その中で沖縄本島沖での事故についての記述があって発覚した。防衛局は先月18日、県にメールで高知県沖の米軍機事故に関する報告書が公表されたことを伝え、電話で沖縄本島沖の事故について記載されていることを伝えた。