首里城焼失で識者座談会 再建へ研究深化提言 


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「首里城火災」の識者座談会で話をする宮城篤正氏(右端)、中本清氏(同2人目)、豊見山和行氏(同3人目)と司会の島洋子琉球新報編集局次長兼報道本部長=8日、那覇市泉崎の琉球新報社(喜瀨守昭撮影)

 首里城火災を受けて琉球新報社は8日、那覇市泉崎の本社で文化関係や設計の専門家を招いた識者座談会を開いた。美術工芸に詳しい元浦添市美術館長の宮城篤正氏、1992年の首里城復元の設計統括責任者の中本清氏、琉球史を研究する琉球大教授の豊見山和行氏が火災による損失や文化財保護、再建の課題などについて意見交換した。再建へ県民の機運を高め、文化財保護や研究体制の強化・深化へつなげていく意義などについて提言があった。

 中本氏は、首里城の防火設備について説明し「当時としてできる限りのことをした。(火災で焼失し)残念だが、それに学ぶのもわれわれの務めだ」と指摘した。

 資料約500点が焼失したことについて、宮城氏は、焼失した東京の尚家資料などに、現時点では文化財に指定されていなくても「県指定の文化財と同じように貴重な資料があった」と惜しんだ。

 豊見山氏は「焼失した資料の目録を早めに作り、どう復元を進めていくのか取り組む必要がある」と強調した。