火元有力の首里城正殿北東 火災前はこんな様子だった YouTubeに今年5月投稿 分電盤や熔融痕確認の延長コードなど映す


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火元とみられる正殿北東。分電盤やLEDライトが接続された延長コードが確認できる(ユーチューブ投稿動画より静止画切り出し)

 那覇市首里当蔵町の首里城正殿など主要7棟が焼失した火災で、火元として有力視される正殿1階北東側の焼失前の様子を映した動画が、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿されている。動画は「首里城 新エリア散策」と題され、今年5月に投稿されていた。正殿裏手の御内原エリアが開園した今年2月以降に撮影されたとみられる。

 映像からは首里城を象徴する朱色に塗られた分電盤のほか、分電盤側面に設置されたコンセントに接続された延長コードが二つの発光ダイオード(LED)ライトとつながっている様子が確認できる。分電盤近くにはベンチも置いてあり、入場者が通れる場所だった。

 那覇市消防局は7日の会見で、分電盤の床下にある引き込み配線と焼けて細切れになった延長コードに30カ所以上の「溶融痕」が見つかったと発表していた。溶融痕は配線同士が接触してスパークした結果生じる「短絡痕(ショート痕)」だった可能性もある。

 同市消防は床下の引き込み配線と延長コードを消防庁消防研究センター(東京)に送り、鑑定を依頼する。短絡痕だったことが判明すれば、出火原因の特定につながる。

 正殿北東は電気系統設備が最も集中していることや火災発生時の目撃証言などから火元として有力視される。当時、正殿の火災防止のため照明などの電源系統のブレーカーは落とされていたが、分電盤側面のコンセントは通電していた。

ユーチューブのURLはhttps://youtu.be/KLC1woBLuvk

【琉球新報電子版】