中村一雄さんに人間国宝認定書 「沖縄の芸能もり立てたい」改めて決意


この記事を書いた人 問山栄恵
人間国宝の認定書を受け、宮田亮平文化庁長官(右から5人目)と記念写真を撮る琉球古典音楽の中村一雄さん(同4人目)=13日、東京都の東京會舘

 【東京】国指定重要無形文化財保持者=人間国宝=への認定書交付式が13日、東京都の東京會舘であり、重要無形文化財「琉球古典音楽」保持者に認定された野村流伝統音楽協会会長の中村一雄さん=那覇市宇栄原、久米島町出身=に宮田亮平文化庁長官から認定書が手渡された。

 中村さんは「今日正式に認定書交付を受け、改めて保持者としての責任感とともに、頑張らないといけないとの気持ちを新たに実感している」と高揚気味に語った。「組踊にも琉球舞踊にもなくてはならない音楽なので、大切にしながら、若い人も出ているので、協力して沖縄の芸能をもり立てていきたい」と責任感を
示した。

 保持者の紹介ビデオで、舞台の首里城の幕が映し出されたことにも触れ「特に首里城への思いは強いので、復元にも県民が力を合わせ、県内の自分たちでやるという気概で頑張りたい。戦後に音楽が県民を元気づけたように、苦しいときに芸能の力で頑張っていきたい」と話した。

 宮田長官は認定者に対し「皆さまの今日に至るまで並々ならぬ精進と、支えられた家族、関係者に心から敬意を表する。優れた無形の技はわが国の豊かな風土や歴史の中で生まれ受け継がれてきた日本人の宝で、人類共通の財産だ。これからも自身の技をより高度に鍛錬、錬磨され、後継者養成にも力を注いでほしい」と期待した。【琉球新報電子版】