機械化、IT化で人材不足解消を 八重山の経済人、公庫と懇談


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人材不足の現状や解消策についての意見が上がった「沖縄公庫・八重山経済チバリヨー懇談会」=8日、石垣市の南の美ら花ホテルミヤヒラ

 【八重山】沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は8日、石垣市内で八重山の経済人や行政関係者9人を招いた「沖縄公庫・八重山経済チバリヨー懇談会」を開催した。出席者からは技能者を中心とした人材不足の現状が相次いで報告され、機械化やIT化を推進する必要性が指摘された。

 米盛建設工業の米盛博明社長は、作業員の確保ができずに閉業する事業所もあるという与那国島の建設業界の現状を紹介した上で「石垣島でも今後、同様の状態になり得る。人材不足で、産業が成り立たなくなる可能性がある」と危機感を示した。少子高齢化の進展も踏まえ、「機械化を進めるための設備投資を増やす必要があると思う」とした。

 みやぎ米穀の宮城智一顧問は農業の後継者不足により、耕作放棄地が増加しているとした上で、「農業の3KをIT利用で解消し、若者が入りたくなる業界にしたい」とした。

 宮平観光の宮平康弘会長は人材不足解消のため、グループで従業員の正社員化や高齢者や障がい者、外国人などの雇用促進を図っていると報告。一方で「企業改革をすると、人件費が上がる。その分売り上げでカバーしないと営業ができないので、生産性向上が課題になる」と指摘した。

 懇談会ではこのほか、観光客の消費単価や宿泊日数向上につなげるためのマーケティング強化、オーバーツーリズム対策の必要性などの意見が上がった。