沖縄で高まるストリートサッカー熱 東京、大阪に次ぐホットスポットに 「楽しさ魅力」


社会
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巧みな足技を披露するnaoさん(右)と伊地秀明さん=糸満市の道の駅いとまん(喜屋武研伍撮影)

 直径5メートルのエリア内で、少人数で得点を競う欧州発祥のスポーツ「ストリートサッカー」。昨年はブラジル出身のサッカー選手ネイマールが世界大会を考案して話題となり、注目が集まっている新ジャンルのサッカーだ。沖縄県は東京都、大阪府に次ぐホットスポットになっている。県内チームは、国内外で活躍するnaoさん(32歳、新里尚史)が代表を務めるKOKUSAI STREET(コクサイストリート)が活動している。

県内で活動する「コクサイストリート」のメンバー

 幅約1メートル、高さ50センチの8枚のフェンスで囲った八角形の「ケージ」内でプレーする。1対1、3対3で競い、ゴールに入れて得点するか「PANNA(パナ)」と呼ばれる股(また)抜きを成功させると即勝利が決まる。激しい接触は禁止され、柔らかいデニム生地のボールを使うことから幅広い年齢層の人が楽しめる。

 だが、全国大会では競技レベルは高い。3分間の短い試合時間で、目まぐるしく変わる戦況に頭をフル稼働させ、相手をいかに出し抜くかを求められる。ゴールを警戒し過ぎると足元がおろそかになり、パナを取られる。パナを警戒し過ぎて重心を落とし過ぎると、反応が遅れて簡単にゴールを奪われてしまう。

 県内では、最も権威のある世界大会「ワールドチャンピオンシップ(オランダ)」に出場したnaoさんが、5年前から広報活動を続けてきた。個人参加型のフットサルサークルでメンバーを募ったり、JリーグのFC琉球のホーム試合会場でイベントを行ったりしてきた。

 コクサイ―の初期メンバーは3人のみだった。公園の隅で空き缶をゴールに見立てて練習した。ケージはnaoさんが材木店で仕入れたものを加工した。徐々に認知度が上がると人数も増え、昨年8月に発足した日本ストリートサッカー協会へ、正式にチーム登録を果たした。

 道の駅いとまんなどを練習場所にし、ケージは6台目になった。現在は15人ほどで構成、年齢はさまざまだ。練習中は笑い声が絶えず、明るい雰囲気の中で練習している。

 naoさんに憧れる伊地秀明さん(24)は「日本の大会で表彰台に上がり、いずれは世界大会へ出場したい」と意気込む。naoさんは「負けても楽しい。やっても楽しいし、見ても楽しい。もっといろいろな人に知ってほしい」とうれしそうに競技の魅力を語っていた。
 (喜屋武研伍)