光取り組む骨つぼを開発 沖縄関ヶ原石材が特許 納骨室内を明るく照らす


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内部に光を取り込める墓と骨つぼを開発した沖縄関ヶ原石材の緑間禎社長=5日、那覇市繁多川

 総合石材メーカーの沖縄関ヶ原石材(那覇市、緑間禎社長)が内部に光を取り込める骨つぼを開発し、特許を取得した。同社は納骨室内に光が差し込む墓の製造も手掛ける。骨つぼと組み合わせることで墓の隅々まで光が届く。内部に光を入れることで、湿気を除去する効果もあるという。緑間社長は「納骨室内を明るく照らし、祖先を敬う沖縄の心を大事にしたい」と話す。

 同社は納骨室内の暗いイメージを変える目的で光が入る墓を開発した。墓の壁面に隙間を入れて、特殊なガラスを組み込むことで採光を可能にした。2017年に特許を取得し、これまでに約120件の施工実績がある。

 当初は墓の中を明るくすることが目的だったが、一般的な墓と比較すると内部の湿度が低いことが確認できた。緑間社長は「梅雨の時期に調査をしたら湿度の違いが明確だった。予想していなかった二次的な効果が得られた」と振り返る。

 新たに開発した骨つぼは、ふたの部分などに光を取り込むガラスを組み込んだ。墓の内部に差し込んだ光が骨つぼの内部にまで届く構造となっている。納骨室内と同様に骨つぼ内の湿気も除去できるため、遺骨を安定した状態で維持できる。

 今年9月に特許登録され、販売を開始した。緑間社長は「祖先への思いが込められた骨つぼで、お墓の中でも遺骨を大事にしたいという沖縄の心を特許庁にも認めてもらった」と喜んだ。