文化・技術で交流の輪 沖縄高等特支、タイの生徒と


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校内で育てたローズマリーとレモングラスを使い、芳香剤を一緒に作った沖縄高等特別支援学校とタイの生徒ら=21日、うるま市の沖縄高等特別支援学校

 【うるま】タイの特別支援学校に通う生徒ら10人が21日、うるま市の沖縄高等特別支援学校を訪れ、同校の生徒らと交流した。きらびやかな衣装に身を包んだタイの生徒らが母国の舞踊や歌を披露すると、タイの文化に初めて触れた生徒たちから「すごいきれい」「感動した」と、感嘆の声が次々と上がった。県内の特支校の生徒が海外の生徒と交流するのは初めて。

 交流は、高齢や障がいの有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめることを目的にした観光庁の補助事業を活用し、JALJTAセールスが企画。タイを皮切りに香港、台湾の生徒らとの交流事業にも取り組む。

 沖縄特支の生徒たちは、授業で学んでいる窯業とクリーニングの技術をタイの生徒らに紹介。クリーニングコースのデモンストレーションでは、上着のアイロン掛けや大型のシーツローラーを使ったベッドシーツのしわ伸ばし作業などを実践を交えて説明した。

 車いすで参加したワンナパー・パーンシヤーさん(15)は、タイでは就職を見据えた職業訓練の授業がほとんどないため、充実した施設や生徒の技術力に驚いたという。「沖縄の皆さんは温かくすてきだった。出会いや学んだことを今後につなげたい」と述べた。

 沖縄特支の野邊瑠華さん(18)はホテル業界への就職を目指しており「沖縄は海外からの観光客も多く、今回の体験でコミュニケーション能力の大切さを学んだ。夢への一歩だ」と目を輝かせた。