吹奏楽部の支出、不適正経理で2教諭戒告 告発者も処分 沖縄県教育委員会


社会
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沖縄県庁

 県立高校の吹奏楽部顧問らが県費の楽器修繕費などを架空に支出して業者にプールし、楽器購入などに充てていた不適正経理問題で、2014年度から17年度の4年間に3人の教諭が計256万2208円分を架空支出していたことが県教育委員会の調査で判明した。県教委は21日付で2人を懲戒戒告処分にした。現在、教職に就いていない1人は処分しなかった。

 14年度に顧問をしていたA教諭は、不適正会計の方法について「前任者から聞いた」と県教委に証言しているが、県教委は「業者に帳簿が残っていない」として前任者は処分していない。

 戒告処分を受けたのは14、15年度の顧問のA教諭(現教育庁指導主事)、16年度顧問のB教諭(現県立高校教諭)。17年度顧問のC教諭は退職済み。A教諭は99万7462円、B教諭は39万1172円、C教諭は117万3574円を架空に支出していた。額は県教委が業者2社の帳簿を確認して認定したという。

 B教諭については、学校徴収金から7万600円を支出したが業者側に入金記録がなく、納品書もないとして、県教委は「使途不明金を発生させた」と指摘した。B教諭は本紙の取材に「ミュージックベルを購入している。学校にも納品されている」と述べ、不明金はないとの認識を示した。

 同問題はB教諭が労災申請の中で告発した。B教諭はその後、公益通報制度の適用を申し出たが、県教委は同制度外で処分した。

 県教委は「B教諭の行為は減給か戒告処分に相当する。本人が告発したことも考慮して処分内容を決めた」と説明した。