母親を困らせないように…甘えられない… 障がい児のきょうだいケアが必要なワケ


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障がい児のきょうだいの心のケアについて考える参加者ら=20日、那覇市のこども発達支援センター

 【那覇】障がいがあるきょうだいを持つ子どもの心のケアなどを考える講演「きょうだい(児)の気づき難い心模様~きょうだいだけの特別をください~」が20日、沖縄県那覇市のこども発達支援センターで開かれた。豊見城市にある障害者就労支援センターちいろばの石垣春美所長(61)が自身の生い立ちや経験を話し、参加した約20人は時折目に涙を浮かべながら話に聞き入った。

 石垣所長自身も障がいがある兄がいることから、幼い時に母親が兄にかかりきりで十分に甘えられなかったさみしさや、母親を困らせないようにいつも気を張っていた経験などを語った。石垣所長は「自分は大切な存在」と自己肯定感を高め、「自分は一人ではない」という体験ができるように、きょうだい支援の場をつくることの大切さを話した。

 石垣所長は「まずは少しの時間でもいいから子どもを抱きしめて『自分も大切に思われているんだ』と感じることのできる瞬間をつくってあげてほしい」と参加者に語り掛けた。