石垣市の自治基本条例は住民の参加を求めて議会でも丁寧な議論をして丁寧な手順を踏んで制定されたはずだ。しかし仮に条例を定めた議会そのものが条例を廃止するならば、議会が条例を制定したときの議論を踏まえて廃止の理由を説明しないといけない。
日本では「自治とはこうあるべきだ」という自治の考え方や在り方が拡充し、進歩してきた。その到達した水準を示したのが自治基本条例だ。全国の市町村で定められ、石垣市でも同様に定められた。前の市長から現在の市長に代わる境目の時期だった。
自治基本条例の中身について疑義があるということを言う人は当然いるだろうと思う。全国で廃止を求める運動が始められているとみられる。しかし、議会が自治基本条例と銘打っている条例を廃止するのであれば、その廃止の理由と併せ、議会がどのような自治を目指すのか、議会が考える自治は何なのかということを示す必要がある。
(行政法)