首里城焼失による喪失感、メディアの伝え方 火災から1カ月 新聞記事を通じて考えた


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首里城の思い出や火災を機に考えたことなどを語り合う参加者ら=11月30日午前、那覇市首里池端町のウォルフブロイ

 地域密着型の生涯学習に取り組むNPO法人琉球ニライ大学は11月30日、沖縄県那覇市首里のクラフトビール&自家焙煎珈琲の店「ウォルフブロイ」で「しんぶんカフェ」を開催した。首里城火災から1カ月を報じる琉球新報紙面などを通して、参加者らは焼失による喪失感やメディアの報じ方などを語り合った。再建に向け「急ぎすぎず、時間をかけてプロセスを見せる再建でもいい」「首里城の在り方をそれぞれが考えたり、若い世代が琉球、沖縄の歴史を学んだりする機会につなげたい」など意見を出し合った。

 しんぶんカフェは新聞をコミュニケーションツールにお互いの考えを伝え合う場としてほぼ毎月開催。初参加の島史生さん(58)=糸満市、糸満南小校長=は首里城の文化財焼失に心を痛めたと話し、「心のモヤモヤしていたことが共有でき、自分なりにどう向き合うか方向性が見えてきた」と語った。

 県立芸大3年の佐久田立々夏さん(21)=浦添市=は首里城が大好きで作ったアルバムを見せて思いを語り、「さまざまな年代、職種の人たちと話し合えるいい場所になった」と感想を話した。

 NAHAマラソン出場のため千葉県から訪れた多田千恵子さん(54)は「首里城について、住んでいる方々の声を直接聞けて良かった。帰ったら周りにも教えたい」と話した。