濱崎達規が粘走でV奪回 宿敵との競り合い制したものは… NAHAマラソン


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2時間22分48秒の記録でトップでゴールする濱崎達規=1日、那覇市の奥武山陸上競技場(又吉康秀撮影)

 第35回NAHAマラソン(主催・那覇市、南部広域市町村圏事務組合など)は1日、那覇市の奥武山公園を出発し、ゴールの奥武山陸上競技場までの42・195キロで行われた。男子は県記録保持者の濱崎達規(南城市、なんじぃAC)が仲間孝大(豊見城市、経営支援センター)とのデッドヒートに競り勝って2時間22分48秒でゴールし、2年ぶり2度目の栄冠をつかんだ。女子は田中華絵(東京、資生堂)が2時間42分40秒で2連覇を達成した。男子2位は仲間、3位は近並郷(茨城、茨城陸協)と続いた。女子は2位に安里真梨子(豊見城市、らんさぽ)が入り、3位は世古理恵(三重、ウイニングラン)だった。

「ここまで苦しんだのは初めて」 盟友の仲間たたえ

 濱崎達規が約15キロ地点で先頭集団から抜け出た。レース前から「負けるはずがない」と思い描いた独走のレース展開に向け、勝負どころと決めていたポイントだった。しかし、昨年の覇者で盟友の仲間孝大がそれを許さなかった。

 互いに勝負を仕掛けつつ先頭を争い、約27キロ地点で仲間にじわじわと差を広げられた。「どこからこんな走りが出てくるんだ」。驚きと焦りを抱きつつ、同時に喜びも感じていた。2人だからこそできる高レベルの勝負を仲間が仕掛けていることが分かったからだ。

 3月の東京マラソンで第一線を退いて以降、久しぶりに味わうヒリヒリするようなレース感覚。涙が出そうだった。「沖縄の人が見ている中で勝負したくなった。仕掛けて離されたら、それでいい」。苦悶(くもん)の表情で食らいついた。30キロ地点の下りで最後の勝負を挑むが、仲間も粘る。「負けた」。そう思った時だった。仲間が脱水症状で足を止めた。独走体勢に入り、最後は「ふらふらだった」が、胸に書かれたなんじぃACの文字を示すようにしてゴール。「県内大会でここまで苦しんだのは初めて。さすがは仲間君」と友をたたえた。

 今大会は所属するなんじぃACのメンバーが所々で特製ドリンクを用意するなど支えてくれた。「チームワークのおかげ」と感謝も口にした。教え子たちに「勝負する姿は示せたかな」と胸を張った。「今は楽しんで走れている。自分の練習をして高めていきたい」と、気負わず、おきなわマラソンでもトップを狙う。
 (古川峻)


<上位入賞者成績>

【男子】
(1)濱崎達規(南城市)  2時間22分48秒
(2)仲間孝大(豊見城市) 2時間24分09秒
(3)近並郷(茨城県)   2時間28分43秒
(4)渡久地政海(本部町) 2時間32分58秒
(5)堀井勇希(那覇市)  2時間34分02秒
(6)宮城武斗(東村)   2時間34分51秒
(7)河田健斗(東京都)  2時間35分15秒
(8)大山翼(南城市)   2時間37分49秒
(9)与那嶺恭兵(浦添市) 2時間38分58秒
(10)早坂光司(宮城県)   2時間39分07秒

【女子】
(1)田中華絵(東京都)   2時間42分40秒
(2)安里真梨子(豊見城市) 2時間58分32秒
(3)世古理恵(三重県)   3時間02分54秒
(4)足立結香(福岡県)   3時間09分37秒
(5)池原綾乃(浦添市)   3時間10分41秒
(6)宇都宮すみ(愛媛県)  3時間12分09秒
(7)木村世奈(茨城県)   3時間14分41秒
(8)香西美紀子(中城村)  3時間15分20秒
(9)坂本直美(福岡県)   3時間15分32秒
(10)宮島亜希子(千葉県)   3時間16分00秒