騒音賠償で集団提訴 嘉手納・普天間 差し止め求めず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍嘉手納基地=2018年9月

 米軍嘉手納基地と普天間飛行場の周辺住民が、航空機の騒音被害に対する損害賠償を国に求め、それぞれ那覇地裁に集団で提訴したことが2日、原告側への取材で分かった。11月30日付で、飛行差し止めは求めていない。

 原告側代理人によると、嘉手納の周辺住民110人が計約1億2700万円、普天間周辺の102人が計約7100万円を請求。従来の判決の賠償基準額では不十分として、額を引き上げるよう求めている。

 原告の大半は、これまで騒音被害訴訟に加わっていない住民という。米軍機と自衛隊機の騒音を巡っては、過去に生じた被害分の賠償のみを認め、飛行差し止めは認めない司法判断が定着している。

 原告側は「判断を覆すのは難しい」として、損害賠償だけを請求した。

 原告側の堤正明弁護士(東京)は「原告が増えれば、国も(飛行差し止めを含め)対応を考えざるを得ない。世論喚起につなげたい」として、原告の募集を継続する考えを示した。