![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/002/201912/6d7758bf07353c3aada2c52987015f5b.jpg)
沖縄と本土の財界人が意見を交わし、県経済発展に向けた提言をする沖縄懇話会のラウンドテーブル(円卓会議)が2日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開かれた。懇話会が1990年の設立から30年を迎えたことを受け、「沖縄新時代のグランドデザイン~沖縄これからの30年」をテーマに議論を深めた。県内外の主要企業のトップらが参加し、沖縄の観光振興のための意見が多く上がった。
オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンは、沖縄が今後も観光へ注力することの必要性を訴えた。ゾーニングなどを明確にした都市開発や観光振興が必要なことに触れて「グランドデザインがないと人は来てくれない。県民所得の向上も重要で、全国ベスト10に入るようなデザインをつくりたい」と強調した。
ダイキン工業の井上礼之会長は「多額の沖縄関係予算が投じられても、本土との格差は縮まっていない。費用対効果の検証が必要だ」と指摘した。沖縄が自立型経済を確立することが発展への道筋になるとの考えを示し、「経済特区で体制を整え、県外の人や技術、サービスを取り込む努力を官民一体でやるべきだ」と強調した。
琉球放送最高顧問の小禄邦男氏は、これから県内で基地返還が進むことを紹介して「跡地利用を失敗してはいけない。しっかりとしたグランドデザインを描く必要がある」と述べた。沖縄が中心となってデザインづくりを進めることを提案して「具体的に一歩ずつ進めていきたい」と目標を掲げた。
那覇空港ビルディングの安里昌利社長はアジアから多くの観光客が沖縄を訪れる一方で、交通インフラなど県内に課題が残ることを指摘した。
2020年3月に那覇空港の第2滑走路が供用開始となることから「いよいよ大空港の仲間入りとなる。これからの30年を見据えたインフラ整備が求められる」と力を込めた。
ラウンドテーブルでは、ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏が基調講演を行った。
大前氏は美食の町として世界中から観光客を集めるスペイン・サンセバスチャンなどの事例を報告。「特徴がないと世界から人が来ない。一つ象徴的なところがあると人が来るはずだ」と説明した。