景気75カ月連続で拡大 個人消費は悪化 日銀10月沖縄県内


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本銀行那覇支店(桑原康二支店長)は6日、10月の県内金融経済概況を発表し、景気判断を75カ月連続で「全体として拡大している」と据え置いた。個人消費は前年同月に比べて悪化した項目が多くホテル稼働率の低下も見られ、桑原支店長は「拡大の速度は一段と鈍化している」と指摘した。

 一方で、消費、観光の落ち込みは消費増税に伴う反動減や日韓関係悪化といった一時的な影響が要因だとして、基調判断を変える必要はないとした。その上で「一時的な要因とはいえ長期間続けば景気全体の下押しとなる」として、今後の経済動向を注視していくとした。

 【個人消費】スーパーと百貨店の全店舗の売上高は前年同月比5・7%減となり、1年1カ月ぶりに前年同月を下回った。家電大型専門店販売額は同26・7%減となるなど、消費増税前に生じた駆け込み需要からの反動減が強く表れた。

 【観光】台風による国内観光客への影響や日韓関係悪化による韓国客減少で、主要ホテル客室稼働率は同4・9ポイント減の78%だった。

 【公共投資・設備投資・住宅投資】新設住宅着工戸数は同16・2%減で、供給過剰感や建築コストの上昇で貸家が落ち込んだ。