米軍の責任曖昧に住民落胆 オスプレイ墜落不起訴 「結局何も分からず」


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護市安部の沿岸に墜落し、大破したオスプレイ=2016年12月

 【北部】2016年12月に沖縄県名護市安部で発生した米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ墜落事故で、那覇地検が事故機を操縦していた氏名不詳の機長を不起訴処分としたことに、事故当時現場に駆け付けた人々からは「政府は県民の生命や財産を守る気がない」といった怒りの声が上がった。地元住民も「結局何も分からないままだ」と落胆した。

 安部区の當山真寿美区長は「きちんとした(法的判断の)結果を見たかった」と肩を落とした。「曖昧でなく、(地元と米軍の)双方が理解できる結果が得られていない。再発防止や、事故発生時のより良い対応につながらない」と指摘した。

 事故発生時、現場に駆け付けて海中も含めて撮影した写真家の牧志治さん(69)=沖縄市=は、事故機の残骸が飛行モードで残されていた様子を記録した。「事故機は着陸体勢ではなかった。(防衛省などが表現する)不時着ではなく、明らかに墜落だ」と指摘。不起訴を受けて「集落に墜落していた可能性もあった事故にもかかわらず、地位協定で県警などは十分な捜査ができなかった。地位協定の見直しなどがない限り県民の生命・財産は守られない」と懸念した。

 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は、全国でオスプレイが飛行訓練を繰り返していることを挙げ「危険性は全国に広がっている」と訴えた。