石垣市自治基本条例の廃止提案 市議会与党「有用でない」 16日の本会議で採決


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 石垣市議会の市政与党側は12日までに、市自治基本条例を廃止する条例案を議会に提出した。16日の市議会12月定例会最終本会議で採決され、議員の過半数の賛成で廃止が決まる。「自治体の憲法」とも呼ばれる自治基本条例が議会の動きによって廃止されれば、全国初の事例になるとみられる。一方で議席の過半数を占める与党内にも慎重論があることから、採決の行方は不透明だ。

 議会への提出は11日付。提出・賛成者として、自民会派を中心に与党議員9人が名を連ねた。提案理由は「まちづくりを進めるために必要があるとのことから制定されたが、社会情勢の変化や、二元代表制の円滑な運用には必ずしも有用な条例ではないことから」としている。

 自治基本条例を巡っては、与党議員で構成された市議会の条例に関する調査特別委員会が11月下旬に賛成多数で条例廃止を結論付けた。2日の本会議の委員長報告で野党側は、特別委内の議論が不十分だったとして廃止の結論を批判した。

 市議会の構成は採決に加わらない議長を除く21議席のうち、与党は自民会派8、公明1、会派未来2、無所属1の12議席で、廃止条例の提出・賛成者を含めて過半数を占める。一方で、廃止を結論付けた特別委でも自民会派以外の公明などの2委員は廃止に反対したり、新たな条例制定を条件にしたりしており、議会での審議次第では退席・反対する可能性がある。

 石垣市自治基本条例は2009年に県内で初めて制定され、10年4月に施行された。