カフェがない島に月1で出現するカフェとは… 世代超えて運営、笑顔の拠点に


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月1回、地域住民の憩いの場になっている「島カフェ」

 【南大東】地域住民の憩いの場に―。南大東村で月1回、ボランティアが開く「島カフェ」が1周年を迎えた。音楽会から医師による健康講話、認知症の寸劇まで、さまざまな企画で世代を超えた居場所づくりをしている。子どもから大人までボランティア約20人が運営する。企画した村の生活支援コーディネーターの山田千鶴子さん(47)は「島にカフェがないので月1回、おいしいコーヒーと手作りケーキで楽しく過ごし、人と人がつながる場になってほしい」と話す。

 南大東村出身の山田さんは高校進学で島を離れたが25歳で戻り、村社会福祉協議会に勤めた。出産を機に村社協を退職。現在は生活支援コーディネーターとして介護事業などに携わる。

地域住民の交流の場「島カフェ」を企画した山田千鶴子さん=11月19日、南大東村の村児童館

 高齢者の中には介護予防事業に参加しない人もいて、「勉強だけでは面白くない」とカフェを思い付いた。2018年12月に開始。場所を変えたら参加者の顔ぶれが違うという。ことし11月までの全12回で、毎回30人超が参加した。

 運営するボランティアは次第に増え、結婚を機に移り住んだ女性や医師、看護師、教諭らも積極的に参加。お菓子作りが得意な人はケーキを焼き、子どもたちは接客をするなど、約20人が楽しみながら運営する。6集落のうち3カ所で開き、今後は全集落を回る予定だ。参加費は300円(子ども100円)で手作りお菓子とドリンク付き。

 山田さんは「教諭や医師、警察官らがボランティアで参加すると住民も話がしやすく、つながりが広がる。ボランティアも自然に集まって1周年を迎えられた。今後もみんなで継続したい」と抱負を語った。
 (豊浜由紀子)