火元には煙感知器がなかった 夜間の火災を想定した訓練はしていなかった 首里城火災


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火災現場となった首里城の北殿(左)、正殿(中央)、南殿(右)、奉神門(手前右の燃えてない建物)=31日、那覇市首里

 沖縄県議会土木環境委員会は13日、首里城公園の指定管理者である沖縄美ら島財団の花城良廣理事長らを参考人として招致した。火元とみられる正殿1階に煙感知器が設置されていなかったことや、第1発見者の警備員はトランシーバーを使用しなかったことなどが新たに明らかになった。火災の影響で同財団の2019年度収支は通期で3億5千万円の赤字の見通しであることも分かった。

 花城理事長は19年度の収益見通しは入場料や売店収入を合わせて約16億円だったが、火災で入場料収入などが減り、赤字の見通しだと説明した。

 財団によると、煙感知器は2階に4個、3階に4個設置されていたが、1階にはなかった。火災当時、最も早く作動したのは人感センサーで、煙感知器は6分後に作動していた。

 有料区域内にいた警備員3人のうち2人は奉神門で仮眠しており、正殿で煙を確認した警備員は携帯していたトランシーバーを使用せずに2人を直接起こしに戻った。夜間の火災を想定した防災訓練はしていなかった。