大相撲沖縄場所開幕 木崎海 納得の押し


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 大相撲沖縄場所2019年冬巡業が14日、うるま市具志川ドームで開幕した。幕内から序二段までの力士が迫力のある取組を披露し、会場には熱い声援が響いた。県出身の十両の木崎海(美里小―鳥取市立西中―鳥取城北高―日大出、木瀬部屋)、幕下の美ノ海(具志川中―鳥取市立西中―鳥取城北高―日大出、木瀬)、三段目の千代の勝(中部農林高出、九重)、當眞(浦添中―鳥取城北、宮城野)、浪満(北部農林高出、立浪)の5人は全員が勝ち星を挙げ、詰め掛けた沖縄の大相撲ファンを沸かせた。見どころの幕内力士16人によるトーナメントは決勝で前頭碧山が小結朝乃山を押し出して優勝した。最終日の15日も参加力士の取組とトーナメントが行われる。

押し出しで勝利する県出身の木崎海(左)=14日、うるま市の具志川ドーム(新里圭蔵撮影)

 初の沖縄場所で県勢ただ一人の関取として土俵入りした木崎海が地元うるま市で二つの勝ち星を挙げた。ファンの大きな拍手に笑顔で応え「地元に元気を与えて、喜んでもらえる相撲を取れた」と胸を張った。

 大翔鵬との一番は立ち合い後、相手がまわしを取り、引いてくると感じて一瞬止まった。「大丈夫だ」と見ると得意の押し相撲で勝負を決めた。千代大龍との取組は立ち合いで決まった。勢いのまま押し出し「自分の相撲が取れた」と納得の表情だった。

 十両に昇格した7月名古屋場所は8勝7敗で勝ち越した。九州場所は10日目で9勝1敗として優勝争いに絡みかけたが、連戦の疲労から4連敗。「長かった。もうちょっと踏ん張りたかった」と思い出して顔をしかめた。しかし1年を振り返り「ちょっとずつお相撲さんになれてきている」と確実な成長を感じている様子だった。

 初場所は美ノ海と兄弟関取として再び土俵に立つ。母の睦子さん(60)は「毎日精いっぱいやって悔いのない人生を送ってほしい」と2人にエールを送った。木崎海は「それぞれが頑張りたい。優勝が目標だけど、まずは一日一日に集中する。持久力をつけて技を磨けば、もっといける」と自らの相撲道に専念する。

(古川峻)