食品ロス削減へ業務提携 農作物を粉末化、パンやお菓子に活用 オキコとブルーテック


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食品ロス削減に向けた業務提携を発表したブルーテックの平安正人社長(左)、オキコの銘苅敏明社長(右)と、提携を支援した県産業振興公社の末吉康敏理事長=16日、那覇市の県庁

 農作物の残さや搾りかすの粉末化に取り組むベンチャー企業、ブルーテック(本部町、平安正人社長)とパン製造のオキコ(西原町、銘苅敏明社長)は16日、県庁で会見し、食品ロス削減に向けた業務提携を発表した。通常は廃棄されるサトウキビやシークヮーサーをブルーテックが粉末化し、オキコが製品開発に活用するほか食品原料として卸販売も担っていく。

 ブルーテックは栄養素を保ったまま約120種類の素材を粉末化する技術を確立している。本部町に工場を持ち、年明けには西表島でも工場を稼働させる。味や栄養素に問題はないにもかかわらず、規格外や傷入りといった理由で廃棄される農作物を減らし、農家の収入向上にもつなげる。

 両社の業務提携は県産業振興公社が支援した。オキコは粉末を使ったパンやお菓子の商品開発を検討している。オキコの取引先である県外の菓子メーカーやパンメーカーなど33社からも、粉末の使用を希望する声があるという。

 オキコの銘苅社長は「商品の手応えはある。台湾やアジア方面での流通も挑戦したい」と意気込んだ。

 ブルーテックの平安社長は「離島を含めた各地域で農産物廃棄の課題を解決していきたい」と話した。